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導入事例

国際石油開発帝石株式会社 様

世界 20 数か国、70 以上のプロジェクトに携わる社員がアクセスする
社内グローバル ポータルサイトを構築

~AvePointとともに、「一体感の醸成」 に向けた SharePoint の活用に段階的に取り組む~

INPEXINPEX

業種:

総合エネルギー

導入環境:

SharePoint Server 2013

社員数:

3,178名 (2014年度)

課題:

グローバルに働く社員間でアクセスできる情報共有基盤が整備されていない

国際石油開発帝石株式会社は、石油や天然ガス等の調査、探鉱、開発、生産、販売などを手掛ける日本最大の石油・天然ガス開発会社です。世界 20 数か国で 70 以上の石油・天然ガスプロジェクトを展開しています。http://www.inpex.co.jp/index.html

お話を伺った方:

国際石油開発帝石株式会社

資材・情報システム本部 情報システムユニット システム企画グループ マネージャー (当時)

辰巳 経夫 氏 (右)

資材・情報システム本部 情報システムユニット システム企画グループ (当時)

廣田 兼二郎 氏 (左)

廣田 兼二郎 氏, 辰巳 経夫 氏 (右)

国際石油開発帝石株式会社 (以下、INPEX) では、グローバルに事業が拡大する中、「経営ビジョンやトップメッセージを世界各地域の組織や社員にタイムリーに情報発信したい」「事業所間・国内・海外の垣根を越えたコミュニケーションを活性化させたい」 という要望が高まっていました。しかし、当時、各地域拠点で個別にグループウェアを導入するなど、全社員の間で情報共有を促進する一元的な情報基盤が確立できていませんでした。辰巳氏は、当時の状況を 「社長メッセージは都度メール発信するためアーカイブできない、各地域からの最新情報を集約して見ることができないなど、会社の情報をリアルタイムで全世界の拠点に伝えられていませんでした」 と振り返ります。

こうした状況を改善するため、 「全社員の一体感の醸成」 というスローガンを掲げて全社員がアクセスすることが可能な 「社内グローバル ポータル」 の新設を決定しました。また、日本国内からグローバルの情報へシームレスにアクセスできるようにするため、当時国内で利用していたグループウェアを刷新し、新たに 「国内向け社内ポータル」 を構築することが決まりました。社内グローバル ポータル・国内向け社内ポータルのプラットフォームには、全世界での導入実績が豊富にある、SharePoint を選びました。

「全社員の一体感の醸成」 というスローガンの下、社内グローバル ポータル・国内向け社内ポータルの構築に乗り出した INPEX。しかし、「技術の壁」 と 「言語の壁」 という課題に直面します。

まず、当時国内グループウェア製品で利用していた機能 (掲示板・ファイル管理など) をどのように SharePoint 上に移植していくかという課題がありました。また、SharePoint の標準機能では、デザイン性・機能性の双方に不足があると感じていたため、どのようにカスタマイズを施していくかという問題もありました。

加えて、言語も文化背景も異なる各国の社員が、会社から発信される情報をスピーディーに取得し、共通の認識を持つことを可能にするため、どのような SharePoint プラットフォームを作るべきかという課題も出されました。さらに、海外ではもちろんのこと、日本においても外国籍社員が増加している現状があったため、社内グローバル ポータルも国内向け社内ポータルについても日英での言語環境を構築する必要がありました。

これらの課題を解決するため、INPEX がパートナーに選んだのが AvePoint でした。AvePointの提案を見た廣田氏は、「SharePoint の標準機能で不足しているデザイン性をカスタマイズによって高めつつ、SharePoint 本来の良さをしっかり活用できると感じました」 と語ります。また、「AvePoint社は、SharePoint 専業のグローバル企業であり、かつ、米国本社を通じて最先端の SharePoint 技術を利用できる、AvePoint 社のノウハウを活用すれば、抱えている課題を解決し、さらに期待以上の良質なポータルを構築できるのではないか」と、同氏は振り返ります。

要件定義・構築のプロセス

社内グローバル ポータル・国内向け社内ポータルの要件定義・構築の段階で INPEX が最も重視したのは、ユーザー エクスペリエンスでした。

デザインはポータル デザインの最新トレンドを意識し、「メガメニュー」 や 「ファット フッター」 などのユーザー インターフェイスを活用して見やすくし、少ないクリック数で目的の情報に辿り着けるよう工夫を凝らしました。

社内グローバル ポータルに関しては、グローバルに働く全社員向けに 「どのような情報を見たいか?」 を問うアンケートを実施し、アンケート結果に基づいたコンテンツを考案しました。例えば、「世界各地のプロジェクトの現況を知りたい」 という声に対しては、プロジェクト情報を管理している広報グループと連携し、各拠点やプロジェクトから情報発信することができるコーナーを設けました。さらには、グローバルに向けて情報発信したい部署 (経営企画・人事・技術本部・HSE ※ 部門など) とも協働し、彼らの要望に応えるためのコーナーを SharePoint 上に設けていきました。

※ HSE とは、健康(Health)、安全(Safety)、環境(Environment)の略で、石油・天然ガスの開発事業などに伴う、健康・安全・環境のリスクを適切に管理するための経営上の取り組みのことを指します。

国内向け社内ポータルについては、既存のグループウェアから SharePoint に切り替えるにあたり、ユーザー ヒアリングやアンケートを通して、グループウェアで頻繁に利用されている機能・そうでない機能を洗い出して、利用されている機能を SharePoint に置き換えていきました。また、例えば 「社内掲示板には、重要度の高い投稿も低い投稿も一緒に掲載があるので、重要なお知らせを見逃してしまうことがある」 など、現行のシステムでの問題点を掘り起こし、AvePoint とともに、SharePoint で作る新しい国内向け社内ポータルで解消する方法を模索しました。

一方で、「エンド ユーザーが使いたい機能だけを反映したのでは、エンド ユーザーを惹きつけることはできません。他社での成功事例を参照しながら、ユーザーがアクセスしたいと思えるよう、コンテンツを整備することが大切です」 と廣田氏は語ります。そこで、社員紹介コーナーや、即時結果確認も可能なアンケート機能などを用意し、社員間の距離を縮めるポータルの構築を目指しました。これには、興味を引くコンテンツを提供するという意図に加え、「同じ組織で働く国内外の仲間やそのバックグラウンドを知ることで、社員の一体感を高めていきたい」 という狙いがありました。

エンド ユーザー エクスペリエンスを重視した SharePoint ポータルの構築

AvePoint は、INPEX からの要望を受け、これらの要望の実現に乗り出しました。

SharePoint は欧米での使い方を基準として作られているため、そのままでは日本での使い方には馴染まないこともあります。このため、主に日本人社員が利用する国内向け社内ポータルには、日本向けの機能を多く取り入れました。

INPEX の要望とその実現方法 (一部)

対象のポータル課題・要望AvePoint のアプローチ
グローバル・国内 多様な文化・言語バックグラウンドを持つ従業員への情報伝達 表示言語 (英語・日本語) の切り替え
グローバル・国内 ユーザー エクスペリエンスの向上・自主的な利活用 ドロップダウンメニューには、ユニバーサル デザインを取り入れたアイコンと文字で表現
グローバル・国内 トップからのメッセージの確実な浸透 社内グローバル ポータルで社長メッセージ・お知らせ情報が更新された際、日本や各地域の社内ポータルに RSS を配信
グローバル 各拠点のプロジェクトの見える化の向上 トップ ページにプロジェクト コーナーを設け、全プロジェクトの最新情報を発信
グローバル 自社株価や油価、業界ニュースなどの素早い伝達 業界情報ページを設け、マーケット情報を可視化
複数メディアから配信されている業界ニュースをポータルに集約・掲載
国内 重要な伝達事項やニュースの遺漏のない伝達 掲示板の投稿について、ユーザーにとって重要な情報を 「必読」 として表示
ユーザーが一度クリックした掲示板の投稿については文字の色が変わるようにカスタマイズし、未読・既読の識別を可能に
掲示板に表示させたいカテゴリーをユーザーが任意選択できるパーソナライズ機能を追加
国内 社員検索の向上 SharePoint の 「ひと検索」 機能をカスタマイズし、人名だけでなく、部署名と役職名で絞り込み検索を実行可能に

▼ 社内グローバル ポータルのトップページ (英語・日本語版)。表示言語の切り替え機能を右上に配置したほか、全世界のプロジェクトの概況を確認できるコーナーも設置した

▼ 国内向け社内ポータルのトップページ

▼ 国内向け社内ポータルの掲示板には、表示させたいカテゴリーをユーザーが任意選択できるパーソナライズ機能を追加した

※ ポータルの画像はイメージです。

アジャイル開発手法を採用して構築に臨んだ AvePoint は、約 6 カ月という比較的短期間で社内グローバル ポータル・国内向け社内ポータルを完成させました。社内グローバル ポータルは 2015 年 4 月から、国内向け社内ポータルは 2015 年 7 月から運用が開始されています。

社内グローバル ポータルの完成により、「会社の最新情報を全世界の社員に向け、リアルタイムで発信できる体制が整いました」 と辰巳氏は語ります。同氏は、「経営ビジョンや INPEX Values といったコーポレートの重要情報のみならず、プロジェクト情報、また社員の労働安全衛生を管理するための HSE 情報等を世界各地の社員に伝播させ、これが社員の一体感の醸成に繋がれば」 と意気込みを語ります。

廣田氏は、「社内グローバル ポータルを読めば、どこの拠点の中途採用のメンバーであっても、INPEX はどんな会社なのか、何を目指しているのかが理解できるような場所にしたい」 と希望を語ります。

しかし、情報プラットフォームであるポータルの構築が完了したからといって、すぐにエンド ユーザーが使いこなしてくれるとは限らないため、段階的に根気強く利活用の促進を進めていく必要があります。

INPEX は、AvePoint の DocAve レポート ポイント を使って利用状況をモニタリングし、AvePoint から定期的に改善施策の提案を受けています。また、「情報発信の潜在ニーズを持っている部署は必ずある」 (廣田氏) という考えから、システム企画グループのメンバーが様々な部署へ出向き、対話を重ねつつ、社内グローバル ポータル・国内向け社内ポータルのどこにどんなコンテンツを配置すべきか、改善点は何かなどについて AvePoint とともに対処方法を練っています。

辰巳氏・廣田氏によると、社内グローバル ポータル・国内向け社内ポータルの開設は、「全社員の一体感の醸成」 という最終目標到達に向けたプロジェクトの第一フェーズであったといいます。ここでは、共通の情報を全社員に届けることが目的でした。

今後入る第二フェーズは、「社員間のコラボレーション活性化・拠点間の情報共有」 です。ポータル上で、社員間やプロジェクト内・プロジェクト間・拠点間など、様々な形態でコラボレーションが自由活発に行われ、ポータル内にナレッジを蓄積していくことを目指します。この実現のため、国内向け社内ポータルの下部に、部署やプロジェクトでのコミュニケーションを活性化させる 「コミュニケーション ポータル」 を構築する予定です。エンド ユーザーが 「グループ内」 で共有し、また 「グループ外」 に発信したい情報は何かなどをヒアリングし、分析を重ねた結果、より良いコンテンツの配置や設計に取り組んでいく計画です。

コラボレーションが活性化してナレッジが蓄積されるにつれ、情報量も増大し、必要な情報を探し出しにくくなるという新たな課題が出てきます。この問題の解消のため、廣田氏は、AvePoint の Compliance Guardian (コンプライアンス・ガーディアン) を使い、内容に応じて分類・タグ付けし、ルールに沿って保存していくことで、ナレッジの検索性の向上を図りたいと考えています。

SharePoint には多彩な機能がありますが、社内ポータルは SharePoint のごく一部の機能を利用しているにすぎません。SharePoint の機能を段階的にリリースしていくことで、ポータルを一方向の情報発信をする場所から、自由活発な情報共有・コラボレーションが起こる場所へと高めていくことができます。AvePoint では、最初は社内の情報発信の場として導入した SharePointを、「社員間のコラボレーションの場」 へとレベルアップさせるための長期的なロードマップを策定し、活用レベルの高度化に伴って発生するであろう様々な運用上の問題や課題についてもソリューションを提供し、支援しています。

今回、本プロジェクトにおいて、AvePoint は、構築、運用設計、運用保守などのフェーズで INPEX を支援しました。

辰巳氏は 「AvePoint 社から 『できません』 という言葉を聞くことは少なく、いつも我々の要望に対して SharePoint 上で実現が可能な様々なアプローチや方法を考えてくれました」 と語ります。また、「SharePoint に精通したグローバル所属のエキスパートを INPEX チームとしてアサインしてもらえた点は大きいですね」 と述べています。

廣田氏は、「客とベンダーという関係ではなく、INPEX と AvePoint 社 が一つのプロジェクト チームとなって取り組めたのが良かった」 と振り返ります。